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神戸市北消防団長尾支団 

 

北消防団長尾支団・震災時の活動記録 1

 

 長尾支団 震災時の活動

■1月17日午前6時ごろ、支団長の招集により各分団詰所に参集。管内のパトロールに出動。被害状況の掌握に努める。時間の経過とともに市街地での被害状況が伝わる。応援出動体制をとって待機。

午後4時。4個分団22名の団員が長田区戸崎通へ応援のため出発。先着の西消防団よりホース延長し消火活動を行った。

翌日以降も約10日間にわたり終日警戒待機を続ける一方、婦人消防隊などとともに3月中旬まで人員搬送、緊急物資搬送などの活動を行った。

 

● 1.17 長尾支団・長田大火へ支援出動 


■1月17日午後。停電が復旧するやいなやテレビのスイッチを叩くように入れる。
 まさか…。しかし、どのチャンネルに合わせてみても悪夢のような中継映像に変わりはなかった。
 倒壊・火災。神戸上空を覆いつくす黒煙に映像も途切れる。「出動しなけれぱ」と思ったとき、案の定招集のベルは鳴った。
 午後6時。長尾支団20余名、延焼が続く長田区へと走る。西神戸有料道路から夢野ヘ。信じられない光景がひろがる。

 寒空を真っ赤に染め、燃え盛る神戸の街。慌ただしく走り回る緊急車。北へ避難する被災者の群れ。
いたる所で発生した道路の陥没と溢れる車の右、左を走り抜け、やっとの思いで長田消防署に着く。
 火災による爆発音か、余震によるものか時折「ドーン」という地響きを感じるなか、西消防団との協力で消火にあたるも、数戸が一斉に燃える火災現場にホース一本ではあまりにも非力だ。
 燃え尽きていく我が家を、毛布に包まり呆然と見つめる住民。倒れた家屋の下に埋まる家族の救出を叫ぶ人々。

 生きて見る地獄だ。

(平成7年1月30日発行 第一分団広報紙「とんぼ」より)

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第一分団 「とんぼ」編集室